睡眠時無呼吸症候群について
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に無呼吸になることで睡眠が十分にとれなくなる病気です。
症状としては多くの方に睡眠中に大きないびきを認め、日中の眠気や集中力の低下の原因となります。
実際の診断は診察と検査を実施した上で行うのですが、自己記入式のチェックリストがあるので一度実施していただいても良いかもしれません。
治療としては生活習慣の改善やCPAPと呼ばれる専用の治療器具を使用することになります。
当院でも診察、検査を実施しているので睡眠中の大きないびきや、日中の眠気でお困りの方は気軽にご相談ください。
①睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠中に10秒以上の無呼吸状態が1時間に5回以上起こることで熟眠が出来ず、日中に眠気を起こす状態を睡眠時無呼吸症候群といいます。
またその無呼吸には大きないびきを伴うことが多いと言われています。
日本時のおよそ200万人の患者がいると言われており成人男性の約3~7%、女性の約2~5%にみられます。男性では40歳~50歳代が半数以上を占める一方で、女性では閉経後に増加します。
日本にはおよそ200万人の患者がいるとは言われていますが、治療を受けているのは15万人と患者数に比べて少なく「隠れ睡眠時無呼吸症候群」の方が多いということも知られています。
日中の眠気や集中力の低下、熟眠感がないなどの症状がある方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があるかもしれません。
②症状
大きないびき、日中の眠気、集中力の低下、熟眠感のなさ、朝起きた時の頭痛などを認めます。日中の眠気は作業効率の低下や居眠り運転など事故の原因にもなります。
③発症のメカニズム
呼吸をする際の空気の通り道が狭くなることが原因です。首まわりの脂肪の沈着が多いと太っていると空気の通り道は狭くなりやすく、肥満は睡眠時無呼吸症候群と深く関係しています。
また扁桃肥大や舌が大きいこと、鼻炎・鼻中隔弯曲といった鼻の病気も原因になります。
加えてあごが小さいことも睡眠時無呼吸症候群の原因となり、太っていないのに睡眠時無呼吸症候群になることもあり見た目だけでは判断ができません。
④睡眠時無呼吸症候群自己チェックリスト
Epworthの眠気テスト
以下の状況でどれくらい眠気があるか4段階でチェックをつけてください
0…眠くなることはない
1…まれに眠くなることがある
2…時々眠くなる
3…いつも眠くなってしまう
Epworth表
結果 (点数) | ||||
---|---|---|---|---|
状態(どんなときに、眠ってしまいますか?) [0] 眠くなることはない [1] まれに眠くなることがある [2] 時々眠くなる [3] いつも眠くなってしまう |
[0] | [1] | [2] | [3] |
①座って読書しているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
②テレビを見ているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
③人がたくさんいる場所で座って何もしていないとき(例えば会議や映画館、劇場など) | 0 | 1 | 2 | 3 |
④車に乗せてもらっているとき(1時間くらい) | 0 | 1 | 2 | 3 |
⑤午後横になって休憩しているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
⑥座って誰かと話をしているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
⑦飲酒せずに昼食後、静かに座っているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
⑧運転中、渋滞や信号待ちで数分間止まっているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
合計点数 | 点 |
---|
合計が11点以上だった方
睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。検査を受けられる事をおすすめします。
⑤検査と診断
診察で睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、携帯型装置による簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)で睡眠中の呼吸状態の評価を行います。
当院では簡易検査を実施しており自宅で検査を実施することが可能です。
睡眠ポリグラフ検査が1泊2日の検査を要するのと比べて簡単に検査を実施することが可能です。
検査にて、1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数である無呼吸低呼吸指数(AHI)が5以上であり、かつ上記の症状を伴う際に睡眠時無呼吸症候群と診断します。
その重症度はAHI5~15を軽症、15~30を中等症、30以上を重症としています。
睡眠時無呼吸症候群の治療
生活習慣、睡眠習慣の改善
上記のように肥満は睡眠時無呼吸症候群の原因となります。 そのためダイエットやアルコールの制限や禁煙など生活習慣の改善を行うことで治療効果が期待できます。
また睡眠薬の使用が睡眠時無呼吸症候群の原因となることもあるため、睡眠薬の調整や睡眠時の姿勢を変えることが治療効果があると言われています。
持続陽圧呼吸(CPAP)療法
睡眠時無呼吸症候群の治療法であり、中等症~重症の患者様ではCPAP療法が第一選択となります。寝ているときに鼻にマスクを装着し、空気を送り込んで気道の閉塞を防ぐことにより、睡眠時無呼吸を予防する治療法です。CPAPと書いて「シーパップ」と呼びます。
口腔内装置(マウスピース)
マウスピースを作成し、下あごを前方に固定して受け口になることで空気の通り道を広げることが可能です。
⑦当院では睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を実施することができます。
熟眠感がない、夜中に目が覚める、大きないびきをかく、日中の眠気があるなどの症状があれば睡眠時無呼吸症候群の可能性を考えてみた方がよいかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群の診断には検査が必要になってきます。
当院では自宅でできる健康保険適応の検査がありますので、心当たりのある方、心配のある方は一度当院でご相談ください。